被災生活


 久しぶりのご挨拶がこのような情報からスタートするのは残念です。

 漸く昨日あたりから電話がまともに通じるようになり、親戚、友人、いろいろな方々からご心配のお電話も頂戴いたしました。どなたも、心温かく、「何か必要なものがあれば送りますよ。遠慮なく言って下さい。」とおっしゃってくださいます。

 ところが、正直なところ、最も困っているのが「トイレ」、次が「食事」、そして「風呂」「洗濯」なのです。一本川を渡れば、葛西でも、市川でも、皆さん通常の生活をしているのですが・・・。

 日常物資は、買出しに行けば調達可能なのです。
 風呂も、銭湯の2時間待ちを頑張れば、何とか入れます。
 洗濯もコインランドリーで何とか・・・。

 ガソリンの入手に2〜3時間かかりますが、これが無いと日常生活が営めなくなるので、命綱です。あまり困っていない方々には、暫くの間、少しご遠慮していただくと有難い。

 食料は2食をインスタント食品(水が使えないので、炊事が一切できません。洗い物ができないからです)。
 1食は外食でもしないと「野菜不足」に陥ってしまいます。

 兎に角、水が一切使えない不便さは、この状況になった方で無いと理解できないでしょう。
 キャンプに行くのよりも、はるかに不便です。
 手洗い、歯磨きに利用した水を捨てることさえできないのですから・・・。

 この状況が長引くと、気持ちがめいってしまいますね。

 関東地域では、この地区だけの深刻な状況と思います。
 「被災者連合会の新浦安支部」といった感じです。


セブンイレブンの商品棚


近隣のスーパーの商品棚

(土屋一成、2011年3月15日)

* * * * *

 たった今、「計画停電」の通告がありました。それも「今日の14時から突然に実施」と。
 昨日まで、「浦安は断水状況下でもあり、被害が激しいので計画停電から除外する」という話だったのに、突然の通告です。これが、「計画」停電と言えるのでしょうか。せめて「明日から」ぐらいにして貰わないと、何の準備もできません。
 新浦安地区は「高層マンション街」です。22Fにある我が家では「エレベータ停止」は死活問題です。老人、赤ちゃんの家庭などは、どうすれば良いのか。「飲み水も給水所まで行かなければならない」「家のトイレも使えない」という状況なのに、とつぜんに停電(エレベータ停止)が加わると、本当に生活に支障がでてしまいます。
 電力事情も分かりますが、多少は地域の事情も考慮して欲しいと思います。「突然の勧告」、「強行実施」、などと言う事態は絶対に辞めて欲しい!

(土屋一成、2011年3月17日)

* * * * *

 浦安の状況は日々に変化しています。

 例えば、下記の浦安市のサイトからメール登録すると、市が公式に発表する情報がリアルタイムで入手できます。

http://www.city.urayasu.chiba.jp/menu9300.html

 我が家でも全員が登録していて、市全体の対策情報をメールで知ることができます。

 昨日は、初めて新聞に浦安の報道がなされたようです。幕張に住む友人から突然のメールが届きましたので。
 加えて昨晩、NHKのニュースで、10秒ぐらいではありましたが、浦安市の状況を報道していました。本当に被害がひどいところ(舞浜地区など)は、全く触れていませんでしたが、ただ、これで浦安に災害が発生していることは伝わり始めたと思います。

(土屋一成、2011年3月18日)

 

【2011年3月18日現在の状況】


給水時間のお知らせ


給水所(明海小学校の校庭)


災害用仮設トイレ(明海小学校の校庭)


災害用仮設トイレの内部


自衛隊の災害派遣車両


災害用仮設トイレ(高洲北小学校)


給水所、自衛隊の災害派遣車両(高洲北小学校)

 

【2011年3月22日現在の状況】

 我が家も漸く、上下水道が仮復旧(50%ぐらいの能力ですが)しました。
 本管の復旧はまだかかるので、仮配管を別ルートで設置して、供給を始めました。
 久しぶりに蛇口から出てくる水をみて、感動しました。なぜか、ポリタンクからコップに注ぐほうが自然に思えるぐらいになってしまっている自分に気付き、何か情けないやら、うれしいやら。
 今回くらい、水の有難さを実感したのは、50年余りの人生で初めての経験です。

 何はともあれ、まずは感謝!

(土屋一成、2011年3月22日)

 

【2011年3月25日】

 東北地方の被害の大きさの影で、浦安の被害状況はマスコミにも取り上げられていない状況が続いておりました。ようやく、この数日間、徐々にTV、新聞等でも取り上げられ始めています。
 その中で新たに、いろいろな事実も分かってきました。
 被災救助が遅れたり、ガス、水道の上に「電気」までが計画停電で遮断されたりしていた現状です。その「理由」というのが「災害救助法の適用が受けられていなかったこと」に起因していました。
 災害救助法が作られた当時、「液状化による大規模被害が想定されておらず」、例えば、家屋にしても一定数以上の家屋の「全壊または半壊」というのが前提になっていました。つまり、津波や地震により家屋が「倒壊してまう」、「全焼してしまう」などが前提として法律が作られており、「液状化により傾いてしまった家屋は想定外」ということでした。そのため、何千戸という莫大な家屋が液状化で傾き、居住不能な状況になってしまったにもかかわらず、「災害救助法の適用が全くなされなかった」、というのが実態でした。それ故、災害地域としての認識されず、マスコミの報道もされず、救援も最小限に留まっていたということでした。
 数日前から、漸く、マスコミにも取り上げられるようになって注目され、今頃になってようやく「昨日(24日)、災害救助法の適用地区と指定」されました。
 我が家は幸いにも、一昨日から水道が「仮復旧(50%稼動)」いたしました。ただ市内には、未だに「4,000世帯以上」が「断水、断ガス」の状況下にあります。このような状況に対し、災害救助法の適用により、少なくとも「電気までが奪われる」という事態からは免除していただくことができるようになりそうです。
 「停電で復旧工事が中断される」という事態も無くなりそうです。

 皆さんの温かいご支援に感謝いたします。

(土屋一成、2011年3月25日)