【電気設備】

 

5. 電話

 固定電話を取り巻く環境は1990年代から大きく変わりつつあり、近年は携帯電話で全て済ませて住居に固定電話を設備しない人も増加しつつあります。また、インターネットを利用した電話も普及し、テレビ電話など、昔だったら夢のようなことも現実となりました。
 今日、電話に関する環境整備は電話機単独で考えるのは適当ではなく、ドアホンとの連携やインターネットの利用を含めて考える必要があります。

(1) 電話機・ファクシミリ

 以前の電話機の接続はローゼットの部分で電話線をつなぐもので、電話機の交換には資格者の工事が必要でした。これがモジュラージャックとなって居住者が自由に電話機を交換できるようになりました。 (まだ、電話機がローゼット接続の場合はモジュラージャックへ交換することをお勧めします。この交換工事は最寄のNTTにご相談ください。)
 筆者はワイヤレス子機2台付きのファクシミリを使用しています。このファクシミリはオプションのドアホンアダプタ(ワイヤレスアダプター対応のドアホンとの組合せするものもあり)を介して玄関のドアホンと接続しています。これにより、ドアホンの呼び出しはファクシミリを設置するLDと子機の置かれた書斎、あるいは寝室のいずれでも受け答えができます。そしてドアホンの呼び出しの都度、LDのドアホン親機まで移動する必要から開放されました。加えてこのファクシミリは「ドアホンワープ機能」(Panasonic独自機能)が内蔵され、ドアホンの呼び出しを設定した電話(携帯電話を含む)へ転送して出先でドアホン呼出に直接、対応ができます。このような機能は携帯電話だけでは実現できません。
 ファクシミリは使用者の耳の聞こえが悪くなった場合の通信手段にもなります。

図1 ドアホンアダプタによる電話機とのシステム化

(2) IP電話

 インターネットを用いた電話は、電話会社選択サービスのマイラインに際してフュージョン・コミュニケーションズのIP電話で始まり、インターネットの常時接続サービスとブローロバンドの普及により、050IP電話の登場、コンピュータから通話ができるSkype(緊急電話に使用できないことからその使用に注意が必要)の登場、そしてNTTによる「ひかり電話」などの登場など、バリエーションを増やしています。Skypeでも実現されていますが、コンピュータにPCカメラを付ける事でWindows Live メッセンジャー などのアプリケーションプログラムを使うことで、コンピュータにPCカメラをつけた人同士でインターネットを介してテレビ電話が可能になっています。
 050IP電話(NTT東日本の「ひかり電話」と区別のためこのように呼びます)、Skype、ひかり電話の利用にはインターネット常時接続サービス を導入していることが必要となります。これらを利用することで長距離でも安価に電話をかけることが可能になります。