洗面所の床の改修

 

現状の認識

 洗面所の浴室の入口近くを歩くと「ギィ」という音がします。また、浴室の入口近くの床がフカフカします。安普請のようで気持ちがよくないため、原因を確かめ、修繕することにしました。同様の症状のあるお住まいに役に立つ情報が得られるのではという目論見もあります。
 方法として洗面台を一時、撤去して床を一面開けることも考えたのですが、床下点検口をフカフカする部分に設置し、その周囲を補強することで対応することにしました。 

【洗面所の床面の改修の手順】


用いた床下点検口(460mm角)


クッションフロアを剥がして、点検口の位置を墨出しした状態。点線や奥の線は設計図から給水管、給湯管、排水管の位置を調べ、開口部を開ける上での注意としたもの。


床に開口部を開けた状態。
床の合板の厚さは12mm。


床は写真の合成樹脂製の支柱で支持されています。床のフワフワ感は左の写真の4台の支柱の支持面が下がって隙間ができていたことが原因でした。4台ともロックナットが緩んでいて、他の支柱も緩みのあるものが確認されました。合板が乾燥収縮して隙間ができ、それが繰り返し荷重のかかる洗面台前兼浴室入り口の床となったため にロックナットが緩んだのか、竣工時の確認不足なのか、竣工25年を経た現在となってはわかりません。

「ギィ」という音は浴室入口下にある写真の木のブロックと木製角材の間で発生していることが確認されました。木製ブロックを手で押し引きしてみると動きますので隙間ができているのがわかりました。乾燥収縮がひとつの要因となっていることが推定されました。

木製ブロックの角材の隙間に木片を入れて接着し、また、木製ブロックと床側の固化した接着剤の間にも接着剤を入れて固定しました。この結果、音の発生はなくなりました。
(奥の軽鉄は洗面所と浴室の境の壁のもの)

開口部の周囲の補強用の合板。床下点検口を支持する桟を床面から24mm下がりで設ける必要があるため、床の合板の12mmの厚さも考慮して、12mm厚の合板を2枚、木工ボンドで張り重ねて桟付の部材を製作。

開口部の周囲に下側から左の桟を木工ボンドで接着し、木ネジ(皿ネジ3.5mm、L=32mm、材質はユニクロ)で固定した状態。木ネジは木工ボンドが強度が出るまでの固定用。

床下点検口を支持する桟を開口部に置いた状態。

開口部の蓋。15mm厚と指定のため、DIY店で指定の寸法426mm角に切断してもらい、周囲のアルミ材と裏面の補強材を取り付け。


開口部に蓋をした状態

 

 

改修を終えて

 本改修で音の発生原因がわかり、浴室入口下の木製ブロックの固定と床を支える角材の隙間を無くすことで対策できました。
 床のフワフワ感は、今回の46cm角の点検口の設置とその周囲の補強で改善されました。(わざと荷重を変えてみると、若干のたわみは感じます。)
 本改修は46cm角の点検口ありきで行ったもので、運よく、床を支える支柱を外した位置で点検口を開けることができましたが、原因がわか ったことから、その改善方法として次の2つを紹介します。

(1) ユニットバスのリフォームに際して改善

 ユニットバスの更新工事では既存のユニットバスが解体され、何もなくなる時があります。
 この時に浴室側から床鳴りの原因となる上記の木製ブロックの隙間に楔を入れて接着します。また、床のふわつきは手の届く範囲となりますが、支柱の支持面の状況を確かめて隙間があれば、支柱の軸が回転すれば支持面を回転して床下面と密着するようにしてロックナットを締める、また、軸が回転しないようであれば床下面と支持面の隙間に薄板を挿入して隙間をなくすことで対策します。(リフォーム業者との事前の打ち合わせが必要ですが、本Webサイトの内容を説明に使っていただければわかると思います。)

(2) 小さい開口を設けて改善

 4つの支柱の間に相当する床面に10cm位の開口を開け、支柱の位置を確かめ、干渉しない位置に15cm位に開口部の大きさを拡大します(支柱の位置が施工誤差で下記の寸法は参考程度のため)。そして開けた開口部から、床面と支柱の上部受け板の間に隙間が空いていれば支柱を上昇させて密着させ、ロックナットで固定します。手の届く範囲の支柱についてこれを繰り返します。 これにより、フワフワ感が解消されます。
 床に「ギィ」音がする場合、浴室入口下の木製ブロックと角材の隙間に木製のクサビ(手で触っておおよその寸法を確認して製作)を挿入して、音がしない状態となったら接着剤で固定します。開けた床の開口部は床の下側に受け用の桟を接着して、開口部の大きさにあわせて12mm厚の合板を加工し、接着します。そしてクッションフロアを開口サイズにあわせて貼り付け、仕上げとします。