ドアクローザの調整方法

 

 玄関ドアが「バタン!」と急に閉まってしまうお宅 があると思います。近隣の人に迷惑音となり、また、小さなお子さんのいる家庭では挟まれ事故の原因となります。このため、必ずドアの閉まる速度はゆっくりとなるように調整する必要があります。
 速度の調整はドアクローザの調整弁の操作で簡単にできます。私達にも簡単に調整できますので、その調整方法を紹介します。また、ドアの開閉時に「キィ」という音の発生しているお宅もあると思いますので、この解消方法を紹介します。

■ ドアクローザの構造

 ドアクローザは油圧でドアの閉まる速度を調整しています。ドアの閉まる速度が速くなるのは、この油圧を調整する弁がドアの開閉で生じる振動などで緩む経年変化に起因すると考えられます。
 スムーズに閉まらない状態で放っておくと、ドアヒンジに無理な力がかかって建て付けのずれを起こし、ドア自体の変形やカギの開け閉めにも影響してきます。

■ ドアクローザの開閉速度の調整

 上の写真のようにドアを開くとドアクローザの調整弁が見えます。これを上図のように時計方向に回すとドアがゆっくりしまるようになります。調整弁が奥まっていて回しにくいですが、軽くまわるものです。これを書いている筆者はラジオペンチの先を使って回しました。割り箸の先を細くしたものでも回すことができると思います。調整弁は少し時計方向に回すだけで、ドアの閉まる速度が遅くなりますので、少し回してはドアの閉まる速度を確認し、好みの速度に調整してください。
 なお、調整弁を左(反時計方向)に回しすぎるとネジが抜けて、本体内の油が漏れてきますのでこれはしないでください。また、ネジを廻してもドアを閉じる速度が調整できず、ドアが激しくバタンと閉まる場合は、油圧が全く効いていない状態で寿命とされます。

■ ドアクローザのヒンジのグリスアップ

 ドアの開閉時に「キィ」というような音が発生していることに気付きました。発生源を調べたら左の写真のドアクローザのリンクの軸部分。早速、グリスアップして音の発生を解消しました。なお、CRC5-56は防錆にはよいですが、このような軸受け部分には油膜の厚いグリスが適切です。